アコギ用ピックアップ

27.TSピックアップのリバーブのかけ方

2014/12/07

高出力のプリアンプ内蔵のTSピックアップだからこそできる高品位リバーブのかけ方をご紹介します。
エフェクターの繋ぎ方。

エレキギターを弾かれる方にとってはお馴染みかもしれませんが、エフェクターを繋ぐ方法にはシリーズ接続とパラレル接続の二つがあります。 シリーズ接続(直列接続) ギターから一方方向に信号が流れてゆきます。音はエフェクターを通る音に依存します。 リバーブのかけ方

ほとんどのリバーブが、原音(DRY)とリバーブ音(WET)の割合が設定できますので、この方法でも問題ないと思われますが、実際に音を出してみると、リバーブを深く掛けると音が遠ざかって輪郭がはっきりしなくなります。

リバーブのかけ方

この写真はPCM-91のWETとDRYのミックスバランスです。 パラレル接続(並列接続) ギターからの送れる音を分岐して、エフェクターに送り、もう一度戻してPAやスピーカに送ります。この方法なら、ギターの音はそのまま聴こえますし、リバーブを深く掛けても音の輪郭が損なわれません。通常空間系エフェクターを使う場合はこの方法が良いでしょう。しかしエフェクターの入力と出力がループしてしまうので直結はできません。 リバーブのかけ方

ループを回避して、音の逆戻りを避けるために、信号を分岐させるスプリッターと、もう一度混ぜるためのミキサーが必要になります。こうすればエフェクターの音がもう一度エフェクターに戻ってそれを繰り返す事態を防ぐことができます。この機能を備えたプリアンプやミキサーがありますからそれを使うのも良いでしょう。 リバーブのかけ方

このようにすれば、リバーブ音が再び逆戻りすることも無く、ギターの音もそのまま出力されます。しかし機材が大掛かりになり、どんな機材でも多少の音の劣化があります。特にボリュームを通したときの音痩せや劣化はすぐに分かるぐらい音質に影響を与えます。余分な機能を排除した専用機材は高価です。 TSピックアップが出力が大きいことを利用して、パッシブ回路でこの部分だけを製作してみましょう。 いろいろ抵抗値を変えて試した結果以下のような回路でいい感じにリバーブがかかります。 (すみません、手抜きで手書きです) リバーブのかけ方

 

リバーブの方はWET100%にしておき、必要に応じて入力や出力レベルでリバーブのかかり具合を変更できます。またリバーブを切れば通常のDRYだけになります。レベルを調整する必要がないのであれば、INのボリュームは不要ですし、ないほうが音質的には有利です。 パッシブ回路で済ませたい場合、これで充分リバーブと混ぜて良い音が出ます。しかし、パッシブであるがゆえに欠点もあります。リターンで帰ってきたリバーブが若干ですが抵抗を介してSENDに逆戻りしてしまいます。よく聞かないと分かりませんが、音が濁りますし、深くかけたときにフィードバックを起こす可能性があります。 より完成度の高い音を作るために、オペアンプを使ったアクティブミキサー回路も考えてみました。 リバーブのかけ方 回路図には出ていませんが、出力部分の右チャンネルと左チャンネルをスイッチでGNDに短絡できるようにしています。スイッチでミートしてから電源スイッチを入れればポップノイズも出ず。ギターのフォンプラグを途中で抜き刺しするときにも便利です。 これで完全に独立したDRYとWETを混ぜることができます。 音が劣化するボリュームも排除しミックスするだけに徹した回路です。消費電力を抑えるために510kΩの分圧にしました。 実際に作られる方のために、基板図も掲載します。ぜひ作ってみてください。R1、R2の30kΩ変更することにより、デフォルトのリバーブミックス量を変更することができます。この回路では33%の混合になっています。オペアンプは4580になっていますが、好きなものを使ってください。 リバーブのかけ方 【補足(上から)】 OUT_L:出力の左チャンネルです。(ミキサーやアンプへ) OUT_R:出力の右チャンネルです。(ミキサーやアンプへ) VCC:電池006Pの+を接続します。 -:電池006Pの-を接続します。 SWITCH:スイッチを接続します。スイッチの反対端子はグランドに接続し、電源が入るようにします。 LED:発光ダイオードを接続します。低電流で発光するものでないと点きません。 LED-、GND、GND2、GND1:すべて共通のグランドです。 IN:TSピックアップシステムからの入力です。 SEND:リバーブ、ディレイ等の空間系エフェクターの入力端子に接続します。 RET_L:リバーブ、ディレイ等の空間系エフェクターの出力端子に接続します。(左チャンネル) RET_R:リバーブ、ディレイ等の空間系エフェクターの出力端子に接続します。(右チャンネル) 赤いラインの部分は部品面からジャンパーで接続する。 モノラルの場合は左チャンネルだけを使用する。 リバーブのかけ方リバーブのかけ方 今回は実験的にすべて安価なパーツで組んでみましたが、侮れません。たったこれだけの回路で、大掛かりなミキサーも入りません。LXP-1とPCM-91で試してみましたが、直結するより音質はかなり良くなりました。輪郭のある音が前に出て、プリディレイ(私は50m前後に設定しています)をかけたリバーブがそれを包み込むように出てきます。この回路の後にトランスで作ったパッシブダイレクトボックスを接続しています。音が太く安定するようになります。 なかなかうまく行きましたので、折を見て音響用のパーツで組み直すつもりです。 【追記】 2011年5月12日に、カップリングコンデンサをオーディオ用のものに変更しました。低音が引き締まった感じになりました。

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